どんなに苦しくても
どんなにつらくても
どんなに悲しいことがあっても
時間はいつものように過ぎてゆき
夜が来て
また
朝が来る
いつもの毎日
でも
いつもの毎日じゃない
朝、起きても
桜侍くんは起きてくれなかった・・・
悪い夢じゃなかった・・・
わんこ達のお散歩から帰ってきても
桜侍くんは起きてくれなかった
もう一度
桜侍くんに会いたい
桜侍くんのお世話の時間が
すっぽり無くなって
な～んにもする事がなくて
テレビを見てても
いつの間にか
口をぽか～んと開けて
ぼ～っとしてる・・・
桜侍くんのごはんを作らなくていい
桜侍くんにご飯を上げなくてもいい
桜侍くんにお薬を飲ませなくていい
桜侍くんに咳で呼ばれて
あたふたしたり
お水を飲ませたり
おしっこに出して立たせたりしなくていい
転んだ桜侍くんを起こさなくていい
桜侍くんを酸素室に入れなくていい
桜侍くんの心配をしなくていい
考えても仕方ないのに
何かに納得したいのか
死因をあれこれ考えてしまう
原因が分かったところで
桜侍くんは帰ってこないのに・・・
覚悟がしたかった・・・
ちゃんとお別れをしたかった・・・
毎日ご飯を食べてくれなくなって
毎日病院に通って
どんどん痩せて
そういう桜侍くんを見るのも
ひどく辛いだろうな・・・
ちらっと思ったことがあったの・・・
桜侍くんの最期の事を・・・
福ちゃんも羽新ちゃんも
目の前で、腕の中で旅立ってくれたけど
それはそれで
苦しかったし辛かった・・・
朝、酸素室で亡くなてた方が
自分の気持ちが楽なんじゃないかって・・・
桜侍くんが目の前で旅立つところを
見るのが怖いと思ってしまった
耐えられないんじゃないかと思った
逝っちゃいやだって叫んで
旅立ちの足を引っ張っちゃうんじゃないかとも思った・・・
自分の事しか考えてなかったし
そんなことを思うなんて浅はかだった・・・
お母さんとして最低だ・・・
やっぱり
ちゃんと
しっかりと
お別れをしたかった
ありがとうを言いたかった
しあわせだったと言いたかった
今更おそいよ・・・
最後まで見捨てないって言ってたくせに
最低だ
桜侍くん
ごめんね
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